このギャラリーは地下にある。
また、ヘリウムは空気の約7分の1の重さだという。
透明な風船の中には変哲のない空気が。
また、赤い風船にはヘリウムが満たされている。
浮かび上がる事の無いように透明な風船で押さえつけられた赤い風船を地下ギャラリーに設置する。
空気の入った風船が萎むのが先だろうか。
ヘリウムの浮力が無くなるのが先だろうか。
目に見えぬ浮力と、目に見える透明な圧力をギャラリーに出現させる。
<写真的なこと>
この企画とは、写真的な事を起こしたいのです。
ヘリウムが入った赤い風船があっという間に浮かび上がってしまうことも、
あるいは浮力がなくなって浮かび上がらず地面にとどまってしまうことも、
鑑賞者は「いつ」それが起こったのか分からない。
初日に崩れたのかもしれないし、
ついさっき崩れたのかもしれない。
現象として、頭の中でイメージできるけれども、
実際に見ていたわけではない。
あるいは、目の前のそれが
浮力がなくなっているのか、押さえつけられているのかさえ
分からない。
見てないのに過去の時間をイメージしてしまったり、
見ているのに本当の事は分からなかったり。
そのようなことを私は写真的な事だと考えています。
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